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平成16年5月3日法性寺に素晴らしい仏像32体が開眼入魂されました。 三十番神というのは、日本の国中に祀られている代表的な30の神々が、1ヵ月30日の間、毎日、順番に国家と人々を守る神様のことをいい、お寺の過去帳や、日蓮宗の過去帳にも三十番神の名前が記されています。 今回法性寺ではこの三十番神と右大臣・左大臣の二神も加えた32体の仏像を開眼致しました。 日蓮宗では、この神々を仰いで現世利益の祈願を捧げる慣わしが広く行われていますが、古くは天台宗で王法(天皇)と仏法が一致するという理論から、皇室を守護とする神々は即ち法華経を守護する神々であるという思想がありました。 いわゆる神仏融合思想で、平安時代の中頃には既に三十番神信仰が存在していたようです。この思想は更に進んで、如法経(法華経の写経)守護の神と仰がれるようになり、如法経(法華経)の広がりと共に三十番神信仰は全国に及びました。 日蓮宗でこの三十番神信仰を取入れたのは、京都に開教した日像上人です。日像上人はその曼荼羅本尊の中に積極的に三十番神を書き入れておられます。 日蓮宗で三十番神信仰が盛んであったその起こりは、日蓮聖人が立正安国論において「神天上」の法門を唱えられました。それは、日本国に正法(法華経)が行われないために、国土を守護すべき善神は天上に去ってしまい、様々な災難が次々と競い起ると考えられる教えで、それならば、天上に去ってしまった神、即ち『法華経』の広まる国を守護すべき善神を勧請して敬い、現世の平安を祈念しようではないかというように考えられたのが、日蓮宗で盛んになった三十番神信仰のようです。 凶悪犯罪の国際化や引ったくり、家庭崩壊、幼児虐待、経済不況、食品の安全性、テロへの不安など本当に現在の社会情勢は混乱しています。三十番神様にお願いして少しでも世の中明るくしたいものです。 日蓮宗には三大三十番神と呼ばれる、全国的に有名な名古屋の定徳寺(中村区日比津町・重文)、島原の護国寺(長崎県島原町寺町)、柏崎妙行寺(新潟県柏崎市西本町)が有りますが、法性寺の三十番神さまは、日蓮聖人がご修行された比叡山横川の定光院に勧請されている立ち姿の番人さまを参考にして彫刻されたものです。 法性寺では、太平洋戦争の大阪大空襲(昭和20年3月13日)の戦火を逃れた、大覚大僧正妙実上人(日像上人の弟子)作の「旭日・日蓮聖人」の御尊像を中心にしてその左右に三十番神様を御祀りいたしました。 新しい法性寺の寺宝となることと思います。 |