千葉県・中山法華経寺の中に、日蓮宗大荒行堂はあります。ここでは毎年11月1日から翌年の2月10日までの100日間、厳しい修行が行われています。荒行堂の起床は午前2時半、午前3時に1番水をかぶります。そしてその後3時間ごとに午前6時・9時・12時・午後3時・6時・11時と1日7回の水行を行います。

11月1日、荒行堂の周りにある大きな欅の木はまだまだ紅葉した葉をいっぱい枝に付けていますが、やがて年が変わり、寒に入ってくると葉はみんな落ちてしまいます。
暁天3時の枯れ木の向こうに冴える満月、そして暁天の星。天地の清浄を身体一杯に感じます。やがて、荒行堂から「若持法華経・其身甚清浄・不染世間法・如蓮華在水・・・」と、修行僧の水行肝文の声が四方にこだまします。

今回(平成18年)日現展に出品した作品は、ここ3年間荒行堂の回廊から眺めた暁天の霊気をモチーフにしました。F50号。